ダークチョコレート


「おはよう、ございます……」
「寝てた?」

その言葉に頷くと、清水さんは部屋のカーテンを開いた。

朝日が家へ入ってくる。

「……怒ってる?」

清水さんはラグは座り、私の顔を見た。

「え、怒って……ましたっけ?」

寝起きで頭が回らない。

怒って良いのは清水さんの方だと思う。

急にレストランの予定をキャンセルされて、ここまで来て。

「昨日、あれは絶対怒ってた」

清水さんが断言するので、昨日のことを思い出す。

そうだ、野々宮さんの告白。

「ごめん」

謝られた。