どうせ自分で食べるんだから、苦いやつにしておけば良かった。 甘いチョコレートは苦手だ。 でも清水さんは甘いほうが好きって言うから。 だから……とぐずぐずまた言い訳を考える。 ベッドに横になり、あの日のことを思い出す。 商品不良を謝りに地方まで行き、帰り道に渋滞に巻き込まれて、漸く会社まで帰ってきた。 仕事をする気になれなくて、自販機の前で隠れていた。営業部長に見つかったら仕事を振られるに違いなかった。