チョコレートに限らず愛情だって。
私からじゃなくても良いんじゃないの。
「いや、俺はお前から欲しいんだよ」
私のグズグズとした言い訳すら、清水さんは真っ直ぐ返してくるので、自分が幼稚なことに恥ずかしくなる。
消えたい。
ずんずんと歩み寄り、私は清水さんに持っていたチョコレートを握らせた。
「どうぞ。これで、さようなら」
そう言って、自分の席へ戻った。
家へ帰り、改めて食事キャンセルの旨を伝えた。
部屋のテーブルの上に鎮座したチョコレートを見ると、自分に呆れてしまう。要らないでしょって思っててもどうして用意したんだろう。



