ダークチョコレート


持っていたサンドイッチを食べ終えて、その子の後ろに着いていくことにした。

ここでバレンタインあげましたって顔しとけば良いか。

「お疲れ様です、清水さん居ます?」

フリーデスクとなっている営業のブースへ行く。近くにいた課長へと挨拶をした。

「外回ってるけど、もうすぐ帰るんじゃないかな」

ホワイトボードを確認して返事をくれる。

「そうですか……またきます!」

そう言った彼女の後ろに着いていく。まるで鴨の親子みたいだ。

結局、あれ以来会社でも話していないし、就業後も会ってない。