「あかりは妖怪の仕業だと思わないの?」

百合香は、妖怪、幽霊etc.....オカルト話がとにかく大好きで、それらが実在すると信じている。

そんな百合香と対照的に私はオカルト話を信じていない。

「思わないよ、私妖怪とか幽霊とか信じてないから」

「えぇー!?なんで!?」百合香は、心底驚いたといった感じで声を上げた。

百合香は、自分の価値観が世界共通だと思っている節がある。まあ、そういうところも面白くて好きだけど。

そうだな。信じてない理由か、まずは妖怪って科学的に存在が証明されていないでしょ。

あと、いちばんは自分の目で見たことがないからかな。
今、思いついたことを百合香に伝えてみた。


百合香は私の返答に眉をひそめ、机に頬杖をつき、小さく唸り声を上げながら何かを考えている様子を見せた。

しばらくして、何かを思いついたかのように口を開く。

「じゃあ、試してみようよ!」

「何を試すの?」

百合香は周りを警戒するように見たあと、ヒソヒソと耳打ちをし始めた。

「この噂ね、オカルト界隈では有名な話なんだけど」

「四丁目の 白巖山 (はくがんざん)の入り口にある祠の前に、妖怪に関する悩み事を書いた手紙を置いておくと」

「その悩み事を解決してくれるんだって」


「……誰が?」


─────‪”‬月煌”‬が