淡い月を愛していたい

「これ絶対、‪”‬妖怪”‬の仕業だよ!」

話しながら鼻息を荒くする百合香に、私は哀れみの目を向ける。

百合香はなんと言うか、思春期特有の病がまだ治ってないから。


「百合香……次は何の本に影響されたの?」

「もーう、違うって!何にも影響されてないし、絶対妖怪の仕業だから!」

まぁ、友達の意見をすぐに否定するのは違うよね。ちゃんとした理由とか根拠があるのかもしれない。

「なんで、そう思ったの?」と、一応聞いてみる。

「だってだって、校内で急に消えちゃったんだよ?妖怪の仕業以外考えられなくない?」

返ってきたのは私の想像を裏切らない返答だった。
なんで、百合香はすぐそっち系の考えになるのだろうか。