今までに見たことのない形相でフランは男を睨み返すと、その威圧に圧倒され額に冷たい汗が滴り落ちる。
「君は、亡き王女にこれ以上何を望む?過去に囚われ続けるのが悪い事だとは言わない。しかし、それにより現状が変わることはない。ましてやそれを他人に強要するのはもってのほか」
「ぐっ・・・」
フランはリースの方にスッと右手だけを伸ばす。
それが戦闘を終了させる合図だと察し、リースは剣の魔法を解くとそれは手元から消えていった。
「大切な人が亡くなり、悲しい気持ちは余所者の僕にだってわかる。後悔してもしきれないだろう。でも・・・それならば、その人の分も精一杯生き抜いてあげるのが一番の恩返しなんじゃないかな」
「フラン・・・・・・」
睨み返していた表情は次第にいつもの優しい彼の顔に戻り、男の前まで来るとじっとその瞳を見つめた。
「フランの言う通りだ。俺はその人に会ったことはないが、この国を、みんなを愛していたのなら、お前もそうするべきなんじゃないのか」
「っ・・・だ、黙って聞いてれば、何なんだお前らは!子供にいったい何がわかる・・・・・・!」
何かに気が付いたのか、男の視線の先に目を向ける。
「相手に手を出す行為は国の規定に反する。そこの者たちは城まで着いてくるように」

