ルチルはきゅっと目を瞑った。
「っ・・・ぶねえ」
しかしそれが二人に命中することはなく。
高速で詠唱し間一髪のところでガラスの剣を召喚させたリースが振り落とされた棒を防いでいた。
「朝食とった後、部屋に戻んなかったからシグハルトを持ち合わせてなかったの忘れてたっ・・・!」
「リース!」
「っな、なんだこの剣は?!」
剣で棒を薙ぎ払うと、リースはルチルと男を庇うようにして前に立つ。
「俺らが言っても聞く耳持たないかもしんないけど。もっと現実見た方がいいんじゃないのか」
「な、なに!?」
「そうよ!こんなことしても、王女様は喜ばないわ」
突然俺たちが乱入したこともあってか辺りが段々ざわめき始めた。
・・・まずいな。
このまま戦闘になれば、周りの人たちを巻き込みかねない。
ここは出来るだけ穏便に事を終わらせたいが・・・・・・。
男の棒を持つ手が微かに震え、こちらを睨み付ける。
「余所者に何がわかる・・・。王女様は、元はと言えば・・・この国のためにお力を使う事を決心していたはずなのに。それなのにっ・・・!」
「リースの言っていたことが聞こえなかったの?」

