「大丈夫です。何かあれば、私もお助けします」
朝から晩まで働いているとはいえ、か弱そうな使用人の言葉がこれほどまで説得力が無いなんて。
「ありがとう。ピケ」
本人に言えるはずもないけど。
このまま、本当に会いに行ってしまっても大丈夫なんだろうか?
口数少ないままに廊下を歩いていると、慌ただしく一人の兵士が目の前を通り過ぎていった。
「何かあったのか・・・?」
「きっとまた国民の間で争いが起きたのでしょう。でも今まであんなに慌てている兵士は見たことがないのですが・・・」
「・・・行ってみよう。もしかしたら負傷者が出たのかもしれない」
「!」
顔を見合わせ、ルチルはこくりと頷くと一先ずノワール城を後にすることにした。

