「ま、まさか!国王様がそんな・・・」
「いえ・・・。最近のバルデ様は少々視野が狭くなっているように感じます。まるで心に眠る欲に溺れかけているかのような・・・。私も否定は出来かねます」
命が狙われている可能性があることに、思わず内に神器を宿す二人は目を見合わせる。
確かに物難しそうな感じはしたが、そんなことを考えているようには見えなかった。
話も聞いてくれたし、俺たちのことも信用してここへ泊めてくれた。
本当に、そんなことが有り得るのか?
「・・・・・・でも、バルデのことだわ。ノワールの名に傷を付けるようなことはしないはず」
「きっと、実行するのならば人目の付かない場所か、バルデ様と二人きりになったタイミングのどちらかでしょうね。国民の不安を煽るような事はしないと思いますから」
「そしたら、会いに行くのは控えた方がいいのかしら・・・・・・」
「私が一緒に付き添います。何かあれば、直ぐエシャロット様に伝言を飛ばします」
「・・・・・・」
段々と疑心暗鬼になる中、そろそろバルデに見つかりそうだからとエシャロットはその後席を外した。
俺たちはというと、このまま黙って城を出るのは泊めてくれた好意を踏み躙ってしまう気がしたので、足取りは少し重たいが当初の予定通り国王の元へ向かうことにした。

