余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

 頭を引き寄せ、額をコツンとくっつけた彼女に真剣な声で告げる。

「パーティーが終わったら、大事な話がある」

 偽物の婚約関係は終わりにして、本当に愛していると伝えよう。結局、俺を好きにさせられたのかはわからないが、もうこの想いを隠していられそうにない。

 静かにくっついたままでいる彼女は、なにかを感じ取ったように一瞬の間を置いて「……わかった」と頷いた。


 それからは一旦気持ちを切り替え、パーティーを乗り切ることに集中する。横浜駅に近いラグジュアリーなホテルに到着し、受付を済ませて会場へ向かった。

 中へ入る前から医療関係者やその家族が歓談しているのが見え、天乃の表情はやや硬くなっている。

「仕事で関わった人もいると思うけど、やっぱり緊張する。うまくできるかな」
「大丈夫だよ、自然体で。俺たち、仲悪いわけじゃないんだから」

 むしろいいほうだろうし、俺が天乃を好きなのは本当なのだから不自然さは出ないはずだ。手を握って微笑むと、いくらか緊張が解れたように彼女の顔にもいつもの笑みが戻っていった。