ありきたりな夢を密かに抱いていると、天乃が嬉しさと戸惑いが入り交じったような表情で言う。
「こんな素敵なもの……もらっていいの? 私は偽物の婚約者なのに」
「天乃がつけなきゃ意味ないだろ。おとなしく受け取って。俺のものだっていう証だから、つけていてほしい」
宝石に似た色に頬が染まっていく彼女を見つめて微笑んだ。
そうして薬指に触れた時、指輪がくるくると簡単に回ってしまうのに気づく。サイズをきちんと調べたわけではなかったから、少し緩かったようだ。
「やっぱりドラマみたいにぴったりとはいかないな、悪い。まあでも、これは仮のものだから……」
そこまで言って目線を上げてはっとした。天乃の大きな瞳に涙が溜まっている。それは負の感情からくるものではなく、感極まって込み上げたもののように見える。
「ありがとう……すごく嬉しい。宝物だよ」
彼女は瞳を潤ませて微笑み、震える声を紡ぐ。指輪を顔に近づけてじっくり眺めると、右手でそっと包み込んだ。
決して高価ではなく、サイズも合っていない指輪なのに、こんなに喜んでくれるなんて。愛しさが急激に膨れ上がって、俺は自然に手を伸ばした。
「こんな素敵なもの……もらっていいの? 私は偽物の婚約者なのに」
「天乃がつけなきゃ意味ないだろ。おとなしく受け取って。俺のものだっていう証だから、つけていてほしい」
宝石に似た色に頬が染まっていく彼女を見つめて微笑んだ。
そうして薬指に触れた時、指輪がくるくると簡単に回ってしまうのに気づく。サイズをきちんと調べたわけではなかったから、少し緩かったようだ。
「やっぱりドラマみたいにぴったりとはいかないな、悪い。まあでも、これは仮のものだから……」
そこまで言って目線を上げてはっとした。天乃の大きな瞳に涙が溜まっている。それは負の感情からくるものではなく、感極まって込み上げたもののように見える。
「ありがとう……すごく嬉しい。宝物だよ」
彼女は瞳を潤ませて微笑み、震える声を紡ぐ。指輪を顔に近づけてじっくり眺めると、右手でそっと包み込んだ。
決して高価ではなく、サイズも合っていない指輪なのに、こんなに喜んでくれるなんて。愛しさが急激に膨れ上がって、俺は自然に手を伸ばした。



