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あの後、慎太から【これまで引いてた分、どんどん押していいと思うぞ!】というメッセージが届いた。黙って見守ると言いながら、勝手なアドバイスをくれるところがあいつらしい。
とはいえ、花火大会でキスをしたのは押しすぎだったか……としばし悶々としていたが、偽装の関係を終えるパーティーは間近に迫っている。それくらいしないと、この短期間で俺たちの仲は進展させられないだろうと思い直すことにした。
キスをした日は天乃のぎこちなさが若干残るまま別れてしまったため、パーティーの前にも一度会って普段の自分たちに戻りたい。そう思い、花火から三日後の日勤中、【今夜、一緒に飯食おう】とメッセージを送った。
どんな返事が来るか妙にそわそわしていたものの、向こうも休憩中だったのかすぐにスマホがポコンと音を立てた。
送られてきたのは、ゆるキャラっぽいバクのイラストの上にOK!と書かれた、俺があげたスタンプ。ほっとしたのもつかの間、彼女からのメッセージが続く。
【いいね! また作りに行こうか?】
【ありがとう。嬉しい。天乃が大変じゃなければ】
【まあ、大変じゃないとは言わないけど(笑)】
茶化すような文章の後、【それでも夏くんには作ってあげたいって思うから】と胸がじんわり温まるようなひと言が送られてきた。
これだけで嬉しくて、自然に頬が緩む。本当に結婚して、毎日彼女の手料理が食べられるようになったら、どれだけ幸せなのだろう。



