でも、彼はそんな乙女心になど気づいていないだろう。異変を察知されないよう、動きの悪い片足をかばって手すりに寄りかかってからも、彼は肩を抱いたまま言う。
「無理するなよ。おんぶでもお姫様抱っこでも、なんだってしてやるから」
子供扱いされているような気がしないでもないけれど、もちろん嬉しい。甘やかされっぱなしで心がくすぐったくなってくる。
「それは恥ずかしいな……」
「あ、米俵みたいに担いだほうがいいか」
「もっと恥ずかしいから」
素なのか冗談なのかわからない調子の彼に、食い気味にツッコんだ。恋愛小説の表紙ではわりと見かける構図だし、秋奈だったら喜ぶかもしれないが、自分が担がれる様を想像するとまぬけでしかない。
クスクス笑う私を一瞥した夏くんも笑い、やっと肩から手を離した。再び並んで手すりに肘をかけ、引き続き花火を楽しむ……かと思いきや、彼はふいに落ち着いた口調で話し出す。
「浴衣着てる天乃を見てたら、成人式のこと思い出した」
「成人式?」
「秋奈から天乃との写真が送られてきて、一丁前に振袖着るようになったんだなって、なんかお父さんみたいな心境だったよ」
「無理するなよ。おんぶでもお姫様抱っこでも、なんだってしてやるから」
子供扱いされているような気がしないでもないけれど、もちろん嬉しい。甘やかされっぱなしで心がくすぐったくなってくる。
「それは恥ずかしいな……」
「あ、米俵みたいに担いだほうがいいか」
「もっと恥ずかしいから」
素なのか冗談なのかわからない調子の彼に、食い気味にツッコんだ。恋愛小説の表紙ではわりと見かける構図だし、秋奈だったら喜ぶかもしれないが、自分が担がれる様を想像するとまぬけでしかない。
クスクス笑う私を一瞥した夏くんも笑い、やっと肩から手を離した。再び並んで手すりに肘をかけ、引き続き花火を楽しむ……かと思いきや、彼はふいに落ち着いた口調で話し出す。
「浴衣着てる天乃を見てたら、成人式のこと思い出した」
「成人式?」
「秋奈から天乃との写真が送られてきて、一丁前に振袖着るようになったんだなって、なんかお父さんみたいな心境だったよ」



