余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

「結果は夏くんの言う通りで、脳の血管が詰まってたみたい。あのまま放っておいたら脳卒中になってたかも」

 まさかそんな危険な状態だとは予想もしなかったから、主治医から話を聞いた時は驚いた。祖父は残念ながら去年亡くなってしまったが、早くに発見してもらえたおかげで後遺症もなくそこまで寿命を延ばせたのだ。

 静かに聞いていた秋奈は、どこか嬉しそうに微笑む。

「兄貴は恩人だったわけね」
「そう。病気に気づいただけじゃなくて、すぐにお祖父ちゃんに会いに来て、私たち家族の気持ちも配慮しながらいろいろサポートしてくれた。そういう人柄も素敵だしすごく頼もしくて、この人についていきたい!って思っちゃったんだよね」

 普段のほほんとしていて私生活は干からびているのに、彼は医者として、人として本当にカッコいい。その姿に私は胸を打たれたし、彼は絶対に名医になると直感した。

 心の中でも褒めまくっている私を見て、ふたりともにんまりと表情を緩ませて「「ふ~ん」」と頷いている。やっぱり恥ずかしくていたたまれないので、反撃に出るとしよう。

「はい、私は話したから今度はふたりの番。今好きな人いるよね?」
「はっ!?」
「なんで決めつけてんだよ」

 あからさまに動揺し始めるふたりが面白くて、私は呑気に笑っていた。

 ……こうして楽しく話せているだけで幸せだ。以前はただの気晴らしだったこの時間も、今ではとっても貴重なもの。

 嫌なことは忘れて盛り上がったおかげで、ふたりと別れる時は無性に寂しくなった。