花火デートの約束を取りつけ、気分上々で食器を洗い始める。夏くんがやると言ってくれたけれど、溜まっている洗濯物を発見してしまったので、呆れ笑いをこぼしつつそっちを先に洗ってとお願いした。
夏くんと夫婦になったらこういう日常が送れるのかな。そんな未来は絶対に来ないけれど、のろけた妄想をするのは自由だ。鼻歌を歌いたくなるくらい上機嫌でお皿を洗っていく。
ところが、突然グラスを持つ左手に違和感を覚えた。嫌な予感がしたのもつかの間、左手がグラスを持ったまま硬直する。
ちょっと、やめてよ……なんでこんな時に。夏くんがこっちに来て手を見られたら、私の異常に気づかれてしまう。
内心焦りつつ早く収まれと念じて数十秒、すっと力が抜けていくような感覚で再び動かせるようになり、グラスも落とさなかったのでほっとした。しかし、今までの幸せな気分は急降下していく。
まるで〝現実を忘れるな〟と警告されているかのよう。私は本来こんな風にしていたらいけない人間だと、十分わかっているのにね。
洗い物をすべて終わらせて水道の水を止めると、かすかに雨音が聞こえてきた。手を拭いてなんとなくリビングの大きな窓に近づく。
夏くんと夫婦になったらこういう日常が送れるのかな。そんな未来は絶対に来ないけれど、のろけた妄想をするのは自由だ。鼻歌を歌いたくなるくらい上機嫌でお皿を洗っていく。
ところが、突然グラスを持つ左手に違和感を覚えた。嫌な予感がしたのもつかの間、左手がグラスを持ったまま硬直する。
ちょっと、やめてよ……なんでこんな時に。夏くんがこっちに来て手を見られたら、私の異常に気づかれてしまう。
内心焦りつつ早く収まれと念じて数十秒、すっと力が抜けていくような感覚で再び動かせるようになり、グラスも落とさなかったのでほっとした。しかし、今までの幸せな気分は急降下していく。
まるで〝現実を忘れるな〟と警告されているかのよう。私は本来こんな風にしていたらいけない人間だと、十分わかっているのにね。
洗い物をすべて終わらせて水道の水を止めると、かすかに雨音が聞こえてきた。手を拭いてなんとなくリビングの大きな窓に近づく。



