余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

 難しい顔をして食器を洗う私に、夏くんは穏やかに微笑みかける。

「しっかりしてるな。本当にえらいよ、天乃は。あと可愛い」

 さらっと褒め殺してくるので、ちょっぴり恥ずかしくなるも、「可愛いは関係ないけど嬉しい」と笑った。

 彼は甘えるように背後から手を回してくっついてくる。こういう夏くんのほうが可愛くないか、と母性本能をくすぐられつつ、最近思っていたことを聞いてみる。

「ねえ……そろそろ避妊するのやめてみる? 積極的に妊活するってわけじゃなくて、自然に任せる感じで」

 まだふたりでいたい気持ちと、子供が欲しい気持ちが半々なのでこの提案をすると、夏くんも賛成するように口角を上げた。

「そうしようか。子供ができたらもちろん嬉しいし、俺もできる限り協力するから」

「ありがとう。夏くん、ちゃんと家事するようになったもんね。カレーや焼きそばも作れるようになったし、ますます頼もしい」

「ん。天乃の旦那として恥ずかしくない男になる」

 そんな宣言も可愛くてクスクス笑う私に、彼が唇を寄せる。頬に、唇にキスをして、スイッチが入ってしまった私は、洗い物を中断して彼の首に抱きついた。

 あなたは最高の旦那様だよ。そして私も、最高に幸せな妻だと胸を張れる。

 キッチンで、寝室で愛し合いながら、いつものようにそう感じていた。