余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

「えぇぇっ、柏先生……!?」
「ほほっ。柏は本名じゃないんだけど、あだ名で呼んでくれていいよ~」

 あの時と同じ朗らかさで笑う彼は、よくよく見れば夏くんと似ている……が、結構お年を召しているから言われなければ気づかない。苗字も違う……というか、クリニックの名前が院長の苗字だと思い込んでいたし。

 夏くんはあえて言わなかったみたいで驚く私を見て笑っていて、秋奈は「そういえば教えてなかったっけ。ごめーん」としれっと謝っていた。まったくこの兄妹は。

 まさかの関係に驚愕しつつ、久々に会ったお母さんも快く迎えてくれて、リビングに移動して食事会を始めた。

 シェフを呼んで作ってもらったという豪華な料理をいただきながら、なぜクリニックの名前が苗字ではないのかを柏先生、もといお父さんが教えてくれる。

「ちゃんと芹澤の名前をつけた病院もあるんだけどね、僕のこと知ってる人が殺到しちゃうと困るから、あのクリニックは名前変えてるの」
「この人、こう見えて脳外科界隈では有名なのよ」

 相変わらず可愛いおじいちゃんといった調子の彼に、お母さんが補足した。ふたりが揃っているのは初めて見たものの、仲のよさが伝わってきてほっこりする。