余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~


 手術から約二週間後、体力も記憶力もだいぶ戻ってきた私は、検査も特に問題なく退院できた。

 腫瘍は本当に全摘できていて、放射線治療も必要ないほどだった。これから年に一回は必ず検査を受けなければいけないが、全摘できた髄膜腫の場合は十年以内に再発する可能性は数パーセント程度なので、ひとまず安心だろう。

 会社にも無事手術が終わり、また働けるようになった旨を報告すると、部長がとても喜んでくれていた。復帰した暁にはこれまでと変わらない仕事を任せてもらえそうで、こちらもほっとしている。

 早く復帰したい気持ちはヤマヤマだが、しばらくは家で養生しなさいと言ってもらえたので、お言葉に甘えてゆっくりすることにする。

 この間に夏くんのマンションで暮らす準備を進め、芹澤家にも挨拶をしに行った。

 そこで私は驚愕したのだ。紹介されたお父様は、なんと私を最初に診てくれた柏先生だったのだから。

 デザイン性の高い豪邸の玄関のドアが開かれた途端、「天乃ちゃ~ん!」と両手を広げて登場した彼に、私は目が点になった。