余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

 てっきり、相手をほったらかしにしてしまうからという理由で断っているものだとばかり思っていた。

 好きな人って……私、でいいんだよね? うわ、なんか嬉しくてくすぐったい。

 だから偽装婚約をしても大半の人には疑われなかったんだなと納得しつつ、両手を頬に当てて呟く。

「まさかそんなに一途だったとは……」
「それは清華さんも同じですよね」

 私の顔を覗く三浦さんにわずかに微笑まれ、頬は熱くなるばかり。

 ほっこりした雰囲気に包まれていたその時、ノックの音がしたかと思うと勢いよくドアが開かれた。

「天乃!」

 なんだか焦った様子の夏くんが入ってきて、私も三浦さんも目を丸くする。

「噂をすれば……というか先生、もうカンファレンスの時間では」
「少し遅れるって言っておいた。結果が出たんだ、病理検査の」

 ベッドに接近してくる彼の言葉に、ドクンと心臓が大きく揺れた。いよいよわかってしまうのか、腫瘍の正確なグレードが。

 一応心の準備をしたかったのに、夏くんはその時間すら与えず、私の肩に手を置いて口を開く。