夏くんには全部想いを伝えたつもりだったけれど、ひとつだけ忘れていたことがある。バーベキューの時に好きだと言ったのは夏くんのことだよって。手術前に思い出し、万が一障害が残った時のためになんとか伝えておきたかった。
それで頭を開いている最中に言うという暴挙に出たわけだが、皆に聞かれていたのは恥ずかしすぎる。私自身はうろ覚えだからまだいいけれど、夏くんはいたたまれなかったかもしれない。
「先生方も聞いていたんですもんね……。夏くん、弄られてないといいけど」
「大丈夫ですよ。むしろ皆〝よかったねぇ〟ってほっこりしてましたから」
三浦さんは私をベッドに座らせ、穏やかな表情で話を続ける。
「院内では有名だったんですよ、芹澤先生が片想いしてる人がいるっていうのは」
「えっ、有名?」
「告白してきたり結婚を迫ってくる人には、いつも〝好きな人がいる〟と言って断っていたので。婚約者がいるって話題になった時も、ようやくそのお相手と結ばれたんだなって祝福ムードでした」
思いがけない事実を聞いて目を丸くした私は、じわじわと胸の奥から熱が帯びるのを感じた。
それで頭を開いている最中に言うという暴挙に出たわけだが、皆に聞かれていたのは恥ずかしすぎる。私自身はうろ覚えだからまだいいけれど、夏くんはいたたまれなかったかもしれない。
「先生方も聞いていたんですもんね……。夏くん、弄られてないといいけど」
「大丈夫ですよ。むしろ皆〝よかったねぇ〟ってほっこりしてましたから」
三浦さんは私をベッドに座らせ、穏やかな表情で話を続ける。
「院内では有名だったんですよ、芹澤先生が片想いしてる人がいるっていうのは」
「えっ、有名?」
「告白してきたり結婚を迫ってくる人には、いつも〝好きな人がいる〟と言って断っていたので。婚約者がいるって話題になった時も、ようやくそのお相手と結ばれたんだなって祝福ムードでした」
思いがけない事実を聞いて目を丸くした私は、じわじわと胸の奥から熱が帯びるのを感じた。



