余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

 私たちはもう偽装ではなく、本物の婚約者になっている。夏くんはこの入院中に、ご両親にも私の家族にも結婚したいと話していたようで、すでに公認となっているらしい。

 私の知らないところで話が進んでいて驚くけれど、胸を張って彼のパートナーだと言えるのは本当に幸せだ。

 少しおしゃべりした後、りほさんはスイーツが入っている箱を置いて「早く退院できるといいですね」と微笑んで帰っていった。

 最初は天然の箱入り娘という感じだった彼女、なんだかとても大人びて頼もしくなった気がする。きっとこの先、もっと素敵な恋をするだろうと確信するほどだった。



 翌日の夕方、リハビリを終えた私はたまたま会った三浦さんと一緒に病室へ戻る。

 手術の前に丁寧に説明してくれた彼女は、クールに見えて話してみるとわりと気さくな人で、私はすぐに好きになった。

 今も、まだ体力が完全には戻らない私を気遣ってくれる。ゆっくり歩きながら手術中に覚えていることについて雑談をしていると、病室に入ると同時に彼女はさらりと言う。

「あの時、芹澤先生に向けて大好きだって言ってたじゃないですか。手術中に告白する方なんて初めてですけど、いいものを見せてもらいました」

 あまり表情は変わらないものの満足した様子が伝わってきたので、かあっと顔が熱くなった。