天乃らしいなと少しほっとするが、きっと内心は緊張と不安でいっぱいだろう。毎日仕事の合間に会いにいっているが、今日は特に時間を取ろうと思い、重要度の低い事務仕事は後回しにして彼女の病室へ向かった。
個室に移動しているのでふたりきりで静かに話せる。つかの間の幸せな時間を過ごそうとドアをノックしようとすると、なにやら中から声が聞こえてきた。
誰か見舞いに来ていたらしく、ノックするのをためらうと同時に中からドアが開いた。「うわ」とやや驚いた声をあげて目を丸くするのは、わが妹。なんだか久々に会った気がする。
「秋奈も来てたのか」
「うん、もう帰るとこだけど。天乃、またね! 明日は貴重な体験ができると思って頑張りなよ」
「ありがとー! 頑張る」
病室の中からいつもの声が返ってきて、それだけで心が安らぐ。しかし笑顔で手を振った秋奈は、「ちょっと」と言って俺の白衣を引っ張り、なにかを話したそうにする。
廊下に留まったままドアが閉まると、秋奈は浮かない表情になって控えめな声で話し出す。
「さっきね、天乃が指輪を失くしちゃったって泣いててさ。私も一緒に探して無事見つかったんだけど、あんなに情緒不安定な天乃見たことなかったから心配で」
個室に移動しているのでふたりきりで静かに話せる。つかの間の幸せな時間を過ごそうとドアをノックしようとすると、なにやら中から声が聞こえてきた。
誰か見舞いに来ていたらしく、ノックするのをためらうと同時に中からドアが開いた。「うわ」とやや驚いた声をあげて目を丸くするのは、わが妹。なんだか久々に会った気がする。
「秋奈も来てたのか」
「うん、もう帰るとこだけど。天乃、またね! 明日は貴重な体験ができると思って頑張りなよ」
「ありがとー! 頑張る」
病室の中からいつもの声が返ってきて、それだけで心が安らぐ。しかし笑顔で手を振った秋奈は、「ちょっと」と言って俺の白衣を引っ張り、なにかを話したそうにする。
廊下に留まったままドアが閉まると、秋奈は浮かない表情になって控えめな声で話し出す。
「さっきね、天乃が指輪を失くしちゃったって泣いててさ。私も一緒に探して無事見つかったんだけど、あんなに情緒不安定な天乃見たことなかったから心配で」



