「天乃……」
俺の口からはそれしか出てこない。彼女は気まずそうに長いまつ毛を伏せた。
ひとまずお母さんと挨拶をする。覇気のない笑みを浮かべた彼女は、「内緒にしていてごめんなさいね。天乃と話してやってください」とだけ言い、カーテンの向こうに出ていった。
ふたりになり天乃に顔を向けると、ようやく目を合わせた彼女が決まりの悪い笑みを見せる。
「……バレちゃったね。こんな形で知られたくなかったんだけどな。隠してたバチが当たったのか」
軽い調子で言うものの、空元気なのがひしひしと伝わってくる。俺はベッドに近づき、細く白い手を取って力が抜けたように椅子に腰を下ろした。
「一緒にいたのに気づいてやれなくて、本当にごめん。医者失格だ」
両手で彼女の手を握り、怒りや後悔がごちゃ混ぜになった声を絞り出した。
責める言葉なんか出てこねぇよ、慎太。責めているのは俺自身なんだから。愛する人の不調にも気づかないで、なんのために医者をやっているんだ。
頭を垂れていると、華奢な手が俺の手を握り返す。少し顔を上げると、思いのほか力強い瞳で俺を見つめる天乃がいた。
俺の口からはそれしか出てこない。彼女は気まずそうに長いまつ毛を伏せた。
ひとまずお母さんと挨拶をする。覇気のない笑みを浮かべた彼女は、「内緒にしていてごめんなさいね。天乃と話してやってください」とだけ言い、カーテンの向こうに出ていった。
ふたりになり天乃に顔を向けると、ようやく目を合わせた彼女が決まりの悪い笑みを見せる。
「……バレちゃったね。こんな形で知られたくなかったんだけどな。隠してたバチが当たったのか」
軽い調子で言うものの、空元気なのがひしひしと伝わってくる。俺はベッドに近づき、細く白い手を取って力が抜けたように椅子に腰を下ろした。
「一緒にいたのに気づいてやれなくて、本当にごめん。医者失格だ」
両手で彼女の手を握り、怒りや後悔がごちゃ混ぜになった声を絞り出した。
責める言葉なんか出てこねぇよ、慎太。責めているのは俺自身なんだから。愛する人の不調にも気づかないで、なんのために医者をやっているんだ。
頭を垂れていると、華奢な手が俺の手を握り返す。少し顔を上げると、思いのほか力強い瞳で俺を見つめる天乃がいた。



