余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~

「わりと仲いい姉弟だと思うんだよね、私たち。楓が弟でよかったよ」

 家族にこそ恥ずかしくて言えなかったけれど、これもずっと思っていたこと。

 すんなり口に出せたなと小さな満足感に浸っていると、楓はキョトンとした後、どこか優しい表情になって口を開く。

「……覚えてる? 小学校の時、俺めちゃくちゃ嫌がってたのに半ば強引に児童会長にされて、挨拶文を考えるのがストレスで若干病んでたこと」

 ものすごく懐かしい話を出されて、今度キョトンとするのは私のほうだった。

「あの時、周りのやつらは無責任にただ励ますだけだったのに、姉ちゃんは『私がゴーストライターになってやる!』とか言って、全部考えてくれたんだよな」

「あー、思い出した! どうせ話すのは楓なんだから、文章くらい考えてやるわって」

「ほんと他人事だよな。しかも、すげーふざけた内容だったし」

 そういえば書いたな。〝これから新しい児童会になるのに、ヒヨってるやついる!?〟的なことを。我ながらぶっ飛んでたなと、ふたりで思い出してひとしきり笑った。

「でも俺は会長も辞めたかったしどうなってもよかったから、ヤケっぱちでそのまま読んだわけ。そしたら、先生には注意されたけど友達は結構ウケててさ。そんなに難しく考えなくていいのかもなって、かなり気がラクになったんだよね」