……いや、待てよ。もう私たちは普通の友達に戻ったのだからデートじゃなく、ただ遊びに行くだけか。もしかすると、偽装婚約関係が無事終わったのを労うお疲れ様会みたいなものかもしれない。

 寝起きの頭の中がぐるぐる回っている。いつまでも離れられなくなるのは目に見えているから、遊びに行くべきではないんじゃないかというためらいと、この身体で何事もなく行けるのかという不安がせめぎ合う。

 でもなんだかんだ言って、自分の一番奥にある願いが揺らぎようもないことはわかっているのだ。

 夏くんともっと一緒にいたいという贅沢な望みを、叶えようとしてもいいだろうか。

 ドキドキしながら返事を打つ。私たちの曖昧な関係は、もう少しだけ続きそうだ。