「今日の白藍への営業、天乃はどうする? 休み明けだし、仕事溜まってるならそっち優先してくれていいけど」
「もちろん行きます!」
私は即座にそう答えた。慎ちゃんが病み上がりの私を気遣ってくれているのはわかるけれど、夏くんに会えるチャンスはどんなに小さくても逃したくない。
一瞬目をぱちくりさせた彼は、すぐに私の目論みを察してにやりと口角を上げる。
「だよなー。愛しの夏クンがいるんだから」
慎ちゃんも秋奈も、ずっと前から私の想いを知っている。気づいていないのは夏くん本人だけだ。
彼は、脳外科医としては他院のドクターも賞賛するほど優秀なのだが、恋愛の類に関してはめっぽう鈍感なのである。そして、三十一歳の現在もまったく結婚を考えていないらしい。
〝外科医は多忙で恋愛は二の次になってしまうから、相手を悲しませるだけ〟というのが彼の考え。だからきっと、私なんて眼中にもないだろうと思うと、友人の関係から一歩踏み出すことができずにいた。
でも、それはつい数日前までの私。なにもしないで諦めるなんてもったいないと、今は意識が百八十度変わっている。
「慎ちゃん」と呼び、にやにやしたままその場を去ろうとしていた彼を引き止めた。こちらを振り向く彼をきりりと見上げ、自分自身に誓うように宣言する。
「もちろん行きます!」
私は即座にそう答えた。慎ちゃんが病み上がりの私を気遣ってくれているのはわかるけれど、夏くんに会えるチャンスはどんなに小さくても逃したくない。
一瞬目をぱちくりさせた彼は、すぐに私の目論みを察してにやりと口角を上げる。
「だよなー。愛しの夏クンがいるんだから」
慎ちゃんも秋奈も、ずっと前から私の想いを知っている。気づいていないのは夏くん本人だけだ。
彼は、脳外科医としては他院のドクターも賞賛するほど優秀なのだが、恋愛の類に関してはめっぽう鈍感なのである。そして、三十一歳の現在もまったく結婚を考えていないらしい。
〝外科医は多忙で恋愛は二の次になってしまうから、相手を悲しませるだけ〟というのが彼の考え。だからきっと、私なんて眼中にもないだろうと思うと、友人の関係から一歩踏み出すことができずにいた。
でも、それはつい数日前までの私。なにもしないで諦めるなんてもったいないと、今は意識が百八十度変わっている。
「慎ちゃん」と呼び、にやにやしたままその場を去ろうとしていた彼を引き止めた。こちらを振り向く彼をきりりと見上げ、自分自身に誓うように宣言する。



