冬が終わっても春が来ても 君は、

「二人だけで花火なんて初めてだよね」

翌日の夜八時。
この公園がハルちゃんちの目の前だろうが、夜にひとりで歩かせるのは不安でたまらなかったから無事に来てくれて安心した。

一本目の線香花火に火をつけながら、鼻歌なんか歌っちゃったし、めちゃくちゃ花火に浮かれてるって思われたかもしれない。

「はい」

「え?」

火をつけた線香花火がパチパチって綺麗な火花を散らせた。

ハルちゃんにもおすそわけしたつもりだったんだけど、ハルちゃんが近づけた線香花火の、ぷくって膨らんだ火薬のところが俺の線香花火にくっついただけで、火玉が半分こされただけだった。

「あれ?」

「あはは。そりゃそーだよ。こうなるの、フユくん知らなかったの?」

「やっぱ小さいからムリかぁ」

「フユくんって抜けてるよね」

「えっ。もしかして貶されてる?」

「ううん。可愛いって言ってるの」

「かわいいー?可愛いかぁ…俺だって男なのになぁ」

そこは「かっこいい」じゃないんだ。

やっぱり俺は、ハルちゃんの中ではかっこよくて頼れる男にはなれないのかなぁ。