冬が終わっても春が来ても 君は、

「あのね、フユくん」

「うん?」

「フユくんから見たら小さいかもしれないけど、女子にしたら164って大きいほうなんだよね。コンプレックスなの」

「なんで?かっこいいじゃん。ハルちゃん、スラっとしてるし。羨ましい人のほうが多いと思うよ」

ハルちゃんはたぶん、そんな自分を「可愛い」とは思っていない。
それは分かっていたから可愛いなんて言って慰めてるって思われるのは嫌だった。

でも「きれい」なんてキザな大人ぶった言葉は照れくさくて言えない。

っていうか、ハルちゃんは昔から身長を気にしているけれど、手足が長くてスラっとしている。

なのにすごく顔が小さくて目はパッチパチで、華奢だし、手の平も足も俺よりずいぶん小さい。

ハルちゃんより可愛いなって、心臓らへんがギュッてなる女の子なんていない。

たとえ俺のほうがめちゃくちゃ小さかろうが、ハルちゃんが死ぬほどちからもちだろうが、誰がなんて言ったってハルちゃんのことが大好きだ。

「ナツミは?」

「ナツミ?」

「身長」

「150ちょっとって言ってたよ」

存在しないんだからそんなのは知らないんだけど、ハルちゃんが「自分は女子にしたら大きいほう」だって言ったから、適当なことを言ってみた。

「へぇ………可愛いんだね」

「可愛い、ね?」

身長が小さいほうが絶対に可愛いかどうかは分からないからちょっと考えてしまった。

どっちがどっちってわけじゃないと思う。

その人だから可愛い。それでじゅうぶんだと思う。

上の段の銘柄ばっかりを補充している俺を、ハルちゃんが見上げている。

そんなにジッと見られたら恥ずかしくて、口角が上がってしまうからやめてほしい。

あー、好きだなぁ。

なんでだろう。
ハルちゃんはよく俺の前で強がっているけれど、
どう見たって、どう考えたって可愛い。

あーあ。

あーーー、好きだなぁ。