「珠子ちゃん、見っけ〜」
呆然とスマホを見つめていると、後ろから伸びてきた腕に抱きしめられる。
幸夜くんだ!
今朝のキスに引き続き、海外暮らしが長いからなの?
過剰なスキンシップにどぎまぎしてしまう。
男の人に抱きしめられたことなんて、パパにしかない。
華奢に見えるのにしっかりした腕に、友達にハグされるのとは違うものを感じる。
「喜久と連絡は取れたのか?」
幸夜くんの腕から抜け出そうともがいていると、咲仁くんもやってきた。
私が幸夜くんに抱きしめられていても気にする様子がない。
やっぱり、海外のノリってこうなの?
でも咲仁くんはしてこないし、幸夜くんが独特なのかもしれない。
婚約者とか言ってたし、そのせい?
「パパのこと呼び捨てにしないでよ。連絡取れたけど、二人が不審者じゃないってことしかわからなかった」
パパの紹介って言ってた咲仁くんの言葉は本当だった。
でも、婚約者とかやっぱり意味わかんない。
「それだけ分かれば十分だろ」
十分じゃない!
「パパとはどういう関係なの?」
「古い付き合いだな……親が」
「婚約者ってのは?」
「そう! 珠子ちゃんは僕と結婚するの~」
「きゃあ!」
後ろから幸夜くんの朗らかな声がするのと同時に、私の足が地面から離れた。
幸夜くんが私を抱き上げて、くるくるって回転する。
「やめて!」
悲鳴みたいな声が出て、すぐに地面に降ろされた。
「ごめん……」
抱きしめていた手も離されて、幸夜くんはしょぼんと叱られた子犬みたいな顔をしていた。
「喜久さんに珠子ちゃんの写真見せてもらって、僕が一目惚れしちゃったの。喜久さんも認めてくれたから、僕と珠子ちゃんは婚約者」
俯きがちの目が私を真っ直ぐに見つめてくる。
私も見つめ返すと、薄く唇を引いて幸夜くんは笑った。
「みんなにも言っちゃったし、これでもう珠子ちゃんに悪い虫もつかないね」
にっこりと笑う幸夜くんに、小悪魔っていう言葉が脳裏を過ぎった。
でも、一目惚れって――私に!?
「あ、赤くなった。珠子ちゃん、かわいー」
またぎゅっと抱きしめられたけど、頭が混乱して抵抗できなかった。
婚約者って、パパじゃなくて幸夜くんの方から言い出したの?
一目惚れって、私にそんな要素全然ないと思うんだけど!
花の方がよっぽど女の子らしくて可愛いし、正美のほうがスレンダーでスタイルがいい。
芽衣の方が明るくて、栞里の方が頭がいい。
私が一番地味で目立たない。
外国の人からしたら日本人顔ってだけで可愛く見えたりしちゃうのかもしれないけど、日本に来たらみんな日本人顔だし、私への錯覚なんて醒めちゃわない?
なのに、幸夜くんは今も私を抱きしめてくれている。
「信じられない? でも、本当だよ。一目見て心を奪われたんだ。君に笑いかけてもらえたら、きっと天にも昇るような気持ちだろうなって思ったんだ」
幸夜くんが私の前髪をかき上げて、じっと目を見つめてくる。
透き通った宝石みたいな瞳の色から目が離せない。
「ねえ、珠子ちゃん。笑ってよ」
ちゅっと、今朝と同じリップ音が今度はおでこからした。
「君が好きだよ、珠子ちゃん。珠子ちゃんは僕が嫌い?」
ほっぺにちゅーに引き続き、でこちゅーもされてしまった私は、沸騰寸前倒れそうだった。
呆然とスマホを見つめていると、後ろから伸びてきた腕に抱きしめられる。
幸夜くんだ!
今朝のキスに引き続き、海外暮らしが長いからなの?
過剰なスキンシップにどぎまぎしてしまう。
男の人に抱きしめられたことなんて、パパにしかない。
華奢に見えるのにしっかりした腕に、友達にハグされるのとは違うものを感じる。
「喜久と連絡は取れたのか?」
幸夜くんの腕から抜け出そうともがいていると、咲仁くんもやってきた。
私が幸夜くんに抱きしめられていても気にする様子がない。
やっぱり、海外のノリってこうなの?
でも咲仁くんはしてこないし、幸夜くんが独特なのかもしれない。
婚約者とか言ってたし、そのせい?
「パパのこと呼び捨てにしないでよ。連絡取れたけど、二人が不審者じゃないってことしかわからなかった」
パパの紹介って言ってた咲仁くんの言葉は本当だった。
でも、婚約者とかやっぱり意味わかんない。
「それだけ分かれば十分だろ」
十分じゃない!
「パパとはどういう関係なの?」
「古い付き合いだな……親が」
「婚約者ってのは?」
「そう! 珠子ちゃんは僕と結婚するの~」
「きゃあ!」
後ろから幸夜くんの朗らかな声がするのと同時に、私の足が地面から離れた。
幸夜くんが私を抱き上げて、くるくるって回転する。
「やめて!」
悲鳴みたいな声が出て、すぐに地面に降ろされた。
「ごめん……」
抱きしめていた手も離されて、幸夜くんはしょぼんと叱られた子犬みたいな顔をしていた。
「喜久さんに珠子ちゃんの写真見せてもらって、僕が一目惚れしちゃったの。喜久さんも認めてくれたから、僕と珠子ちゃんは婚約者」
俯きがちの目が私を真っ直ぐに見つめてくる。
私も見つめ返すと、薄く唇を引いて幸夜くんは笑った。
「みんなにも言っちゃったし、これでもう珠子ちゃんに悪い虫もつかないね」
にっこりと笑う幸夜くんに、小悪魔っていう言葉が脳裏を過ぎった。
でも、一目惚れって――私に!?
「あ、赤くなった。珠子ちゃん、かわいー」
またぎゅっと抱きしめられたけど、頭が混乱して抵抗できなかった。
婚約者って、パパじゃなくて幸夜くんの方から言い出したの?
一目惚れって、私にそんな要素全然ないと思うんだけど!
花の方がよっぽど女の子らしくて可愛いし、正美のほうがスレンダーでスタイルがいい。
芽衣の方が明るくて、栞里の方が頭がいい。
私が一番地味で目立たない。
外国の人からしたら日本人顔ってだけで可愛く見えたりしちゃうのかもしれないけど、日本に来たらみんな日本人顔だし、私への錯覚なんて醒めちゃわない?
なのに、幸夜くんは今も私を抱きしめてくれている。
「信じられない? でも、本当だよ。一目見て心を奪われたんだ。君に笑いかけてもらえたら、きっと天にも昇るような気持ちだろうなって思ったんだ」
幸夜くんが私の前髪をかき上げて、じっと目を見つめてくる。
透き通った宝石みたいな瞳の色から目が離せない。
「ねえ、珠子ちゃん。笑ってよ」
ちゅっと、今朝と同じリップ音が今度はおでこからした。
「君が好きだよ、珠子ちゃん。珠子ちゃんは僕が嫌い?」
ほっぺにちゅーに引き続き、でこちゅーもされてしまった私は、沸騰寸前倒れそうだった。



