「珠子」
静かに短く、咲仁くんに名前を呼ばれた。
強い力で腕を引かれて、幸夜くんと引き離される。
肩を抱かれて、今度は咲仁くんの腕の中にいた。
咲仁くんはしないって思ってたけど、やっぱり海外の人ってこういうノリなの?
咲仁くんの腕は幸夜くんとよりもたくましい感じがする。
咲仁くんの腕の中から、咲仁くんを見上げる。
幸夜くんよりも濃い色の髪と瞳。
私の方を見ないで、さっきまで私が立っていた場所を見つめていて――
そこに、植木鉢が降ってきた。
ガシャンと大きな音を立てて植木鉢が砕け散る。
幸夜くんはひょいっと体を横にズラして避けていたけど、私にそんな反射神経はない。
もしも咲仁くんが腕を引いてくれてなかったら、どうなっていたんだろう。
私の頭もあの植木鉢みたいにパーンってなっていたと思う。
そこまで想像して、一気に血の気が引いた。
「兄さん、僕も助けてよ〜」
砕けた植木鉢をまたいで幸夜くんがこっちに来るけど、私は砕けた植木鉢から目を逸らせない。
「おまえは必要ないだろ。どんくさいコイツだけで十分だ」
咲仁くんにどんくさいとかコイツとか結構なことを言われていたけど、言い返す気にはなれなかった。
「珠子ちゃん、大丈夫? ケガない?」
私の視線を切るように、幸夜くんの顔が目の前に現れる。
さっきのちゅーを思い出して、ちょっと血の気が戻ってきた。
「う、うん。だいじょうぶ……」
ようやく硬直が溶けて、首を縦に振れた。
「授業が始まるな」
「行こうか、珠子ちゃん」
チャイムの音が聞こえてきて、幸夜くんが私の手を引く。
されるがままについて行って、私たちの後ろを咲仁くんがゆっくり着いてくる。
そして、教室に戻って――二人は私の隣に着席した。
静かに短く、咲仁くんに名前を呼ばれた。
強い力で腕を引かれて、幸夜くんと引き離される。
肩を抱かれて、今度は咲仁くんの腕の中にいた。
咲仁くんはしないって思ってたけど、やっぱり海外の人ってこういうノリなの?
咲仁くんの腕は幸夜くんとよりもたくましい感じがする。
咲仁くんの腕の中から、咲仁くんを見上げる。
幸夜くんよりも濃い色の髪と瞳。
私の方を見ないで、さっきまで私が立っていた場所を見つめていて――
そこに、植木鉢が降ってきた。
ガシャンと大きな音を立てて植木鉢が砕け散る。
幸夜くんはひょいっと体を横にズラして避けていたけど、私にそんな反射神経はない。
もしも咲仁くんが腕を引いてくれてなかったら、どうなっていたんだろう。
私の頭もあの植木鉢みたいにパーンってなっていたと思う。
そこまで想像して、一気に血の気が引いた。
「兄さん、僕も助けてよ〜」
砕けた植木鉢をまたいで幸夜くんがこっちに来るけど、私は砕けた植木鉢から目を逸らせない。
「おまえは必要ないだろ。どんくさいコイツだけで十分だ」
咲仁くんにどんくさいとかコイツとか結構なことを言われていたけど、言い返す気にはなれなかった。
「珠子ちゃん、大丈夫? ケガない?」
私の視線を切るように、幸夜くんの顔が目の前に現れる。
さっきのちゅーを思い出して、ちょっと血の気が戻ってきた。
「う、うん。だいじょうぶ……」
ようやく硬直が溶けて、首を縦に振れた。
「授業が始まるな」
「行こうか、珠子ちゃん」
チャイムの音が聞こえてきて、幸夜くんが私の手を引く。
されるがままについて行って、私たちの後ろを咲仁くんがゆっくり着いてくる。
そして、教室に戻って――二人は私の隣に着席した。



