「10分くらいで名前入れができるらしい」
そう言うと一旦会計を済ませてからまた店内を見て回り始めた。

たった10分。
されど10分。

健一は自分が気になった商品をまた次々とカゴに入れ始めた。

もういい。
もういらないよと鳴いて訴えるけれど「気に入ってるみたいだな」と、勘違いされてしまう。

「このおもちゃよさそうだな。こっちのおやつはどうだろう」

そんな感じで際限なくカゴに入れていくので、10分後にはカゴの中はまた一杯になってしまっていた。

合計金額がいくらになったのかは考えたくなかったが、健一はとても満足そうにしていたのだった。