上司と部下という関係ではなく、純粋になぜ尚美が胃がんについて知っているのか聞きたがっているのがわかった。

尚美は小さくため息を吐き出す。
少し顔を見て挨拶をして終わるはずだったのに、ヘマをしてしまった。

これじゃ余計に離れがたくなるかもしれない。
尚美は涙を浮かべた目で振り向いたのだった。