それは尚美もよく理解できる感情だった。
食べなきゃいいじゃん。

というのは論外だ。
頑張って仕事をして、そのご褒美に食べるおやつ。

休日、頑張って自分へ向けてちょっと高いおやつを買ってかえる。
それに日常的に食べるおやつもありだ。

健康に気を使うなら野菜がふんだんに使われているおやつだって発売されている。
とにかく、我慢することがなによりも体に悪いことだと尚美は考えていた。

『田崎さんのお弁当は毎日おいしそうですね』
ふと、そんなことを言われたことがあるのを思い出した。

会社では沢山の人が働いているけれど、その中でも尚美が一番尊敬している上司、関健一からの言葉だった。