外を歩きながら尚美は足元が白く染まっていることに気がついた。
これは、雪?

驚いて顔を見上げると空は晴れているのにチラチラと雪が振り始めている。
健一に拾われてからの月日はあっという間に過ぎていき、今はもう冬。

来年の春になれば1年ということになる。
信じられない速さで進んでいく毎日の中、尚美はただただ健一と一緒にいた。

「あの公園へ行こうか」
「ミャア!」

ハトと、ハトおじさんに久しぶりに会いたいと思っていたところだった。
あれ以来会っていなくてお礼を伝えられていない。

ウキウキとして気分で健一と共に公園に足を踏み入れる。

ちょうど木陰のベンチにハトおじさんが来たところのようで、右手に餌の入ったナイロン袋を下げている。

足元に塗らがるハトたちの中の一羽がこちらに気がついてかけよってきた。
「ポッポー」