となりの色気がうっとうしい


「ちょ……西木さんっ」


限界の西木さんを身体半分で支えながら、なんとか扉を開けて中に入る。


そのまま寝かすっつったって、勝手に家に上がるのはさすがの俺でもためらう。


でも……苦しそうに目をつぶる彼女を無理やり起こすこともできない。


だからって、このままここでジッとしてるわけには……とぐるぐる考えていると。


「……え、誰」


一番近くの部屋のドアがガチャリと開いた。


中から出てきた女の子は、ものすごく不審そうにこちらを見ている。


何度かマンションのエントランスや廊下で顔を見たことがある。西木さんの妹。


じぃーっと眉間に皺を寄せてこちらを見ている表情は、西木さんにそっくり。

姉妹そろって、なんて反応だ。
女の子はもっとこう、俺を見たら目をハートに───。


「警察」


「えっ!?ちょ、ちょっと待って」


手に持っていたスマホをおもむろに触りはじめる西木妹に慌てて声を張る。


「怪しいものじゃないから!西木さんのクラスメイトで、隣の天海です。きみのお姉さん、熱出ちゃって。すぐ寝かせたほうがいいと思うから、部屋入ってもいいかな。それとも、キミが部屋まで連れて行ける?」


「……えっ、嘘……お姉ちゃん」


事情を軽く説明すると、西木妹が心配そうに西木さんに駆け寄る。


「部屋まで……お願いします」


西木妹は、渋々そういうと、部屋まで案内してくれた。