となりの色気がうっとうしい


「じゃあ、お大事ね」


「はい」


自宅マンションまで車で先生に送ってもらい、私は天海くんと車から降りる。


「ありがとうございました」


助手席の窓を開けた先生にお礼を伝え、マンションのエントランスへと向かう。


学校にいた時よりもさらに足が重い。


「……カバン、もういいから。ありがと」


オートロックの操作盤の前に立ち、私のカバンを持ってくれていた天海くんにそう声をかける。


「いや、家の前まで待つよ。隣だし。月雨ちゃんが風邪引いたの、俺のせいだし」


確かに、昨日天海くんと話すことにならなければこんなことには……と思ったのは本心だけど、本人に改めてそう言われると反応に困る。


彼の言う通り、家はすぐ隣。
ここで頑なに断る元気も今の私にはなくて、私は言われた通り、天海くんと共にエレベーターに乗った。