となりの色気がうっとうしい


「西木さん、熱あるっぽいんで。保健室連れていきます」


え。


横から聞こえた声に、意識がほんの一瞬だけ戻されると、私の腕が優しく引き寄せた。


な、なんで……。


周りのざわつく音。
それもだんだん遠のいて。


「……月雨ちゃん、歩ける?」


ゆっくり顔をあげると、見覚えのあるシルエットが目の前にあって。


「……」


その呼び方、いやだってば。


その瞬間、限界を迎えた瞼が閉じた。


「……ん」


ゆっくり目を開けると、真っ白な天井が視界いっぱいに広がっていて、その周りはカーテンレールに囲まれていた。


えっと……ここは……確か……。


横になっていた体の上半身を起こすと、これまた真っ白なベッドで、ここが保健室だということがだんだん分かってきた。


でも、私、どうやってここまで……。


記憶を辿ろうと思考を巡らした瞬間、ズキンと頭に痛みが走る。
うぅ……少し寝たからさっきよりはマシだけど……。


って授業!
教室に戻らなきゃ!
時間は?!


と軽くパニックになっていると、ガラッと保健室のドアが開けられた音がカーテン越しから聞こえた。


「先生、西木さんは」


え……この声……。