となりの色気がうっとうしい



うっ……どうしよう。


只今2時間目の授業中。


視線の先の黒板の文字がぼやけて、ズキンと頭が痛む。


これは完全に……熱がある気がする。


手元のノートに視線を落としても、シャープペンを持つ手にも思うように力が入らない。


歪んだ字を描き直そうと、消しゴムを待った時だった。


あっ……。


ペンケースから取り出した消しゴムが、手からするりと落ちて、そのまま床へと転がってしまった。


……はぁ……面倒なことが次から次へと……。


座ったまま手を伸ばしても届かない距離。


仕方なく、ゆっくり席を立って一歩足を前に出そうとすると、


「……っ!」


ガタッ!!


突然、目の前がグラッとして、教室に音が響くように机に手をついてしまった。


一気に、クラスメイトの視線がこちらに集中する。


「どうした、西木」


板書を止めた先生が、私の名前を呼ぶ。


すみません、と声を出したいのに、喉に何かが張り付いたみたいになって、声が出ない。


「っ、あ、」


冷や汗が止まらなくて、悪寒もする。


もう……やだ。
今日はどうしてこんなについていないんだ。


いや、ついていないと言えば、きっとこれは、昨日、雨に濡れたせい。


私、なんであんなに土砂降りのなか帰ったんだっけ……とふと思いながら、なんだか意識は朦朧として、瞼が閉じた時だった。