となりの色気がうっとうしい


「心配って……別に何もないですから。……はっ、もうこんな時間っ」


腕時計の時間を見ると、いつもならとっくに学校に向かっている時間だ。


ただでさえ、普段より起き上がるのがきつくて、準備に時間がかかったって言うのに。


天海くんと話してから、嫌なことばっかり。


「悠長に立ち話してる時間、ないんじゃない?」


「だ、誰のせいだと!!」


ふんっと彼から顔をそらして、そのままマンションのエレベーターへと向かうと、天海くんもその後を着いてくる。


この人……本当に一緒に学校に向かうつもりだ……。


私に「大嫌い」と言われたことを忘れているのだろうか。それとも雨の音で、聞こえていなかった?


昨日は、彼から離れるために、雨に濡れながらダッシュすることができたのに。


今日はどうしてか、その気力がなくて。
私は仕方なく、彼の隣を歩くことしかできなかった。