「良いな…」 教室に人がいないことを良いことに、机の上に仰向けになって机の横のフックに足を引っ掛けて遊ぶ。 こんな暑い夏なのに扇風機しか置いていないこの貧乏学校。 窓も開けているけど、当然入ってくるのはぬるい風で、蒸し暑さが増す。 灼熱の教室には慣れたはずなのに、汗の量はサウナに入ったみたい。 そろそろ水分を取らないと倒れてしまいそうで、蓮斗を待つ暇つぶしに自販機へ行こうか考えていると、誰かの笑い声が聞こえた。