その時私は楽しみにしている自分がいることに気づいた。

手が震えた時も、廉也さんとのキスが嫌ではなく、キスしたかったんだと、自分の気持ちに気づいてしまった。

「大丈夫です」

そして私は廉也さんと出かけた。

「海綺麗だな、東京じゃあ、絶対見れない景色だよな」

「そうですね」

廉也さんは私の方に振り向くと、私の手を引き寄せた。

「みゆ、俺はお前を諦められない、みゆの気持ちは北山にあるのは知ってる」

「えっ?」

「俺が東京に連れて帰ろうと手を差し伸べた時、北山の後ろに隠れたみゆを見て、すげえショックだった。一旦は諦めようとしたんだが、駄目だった。
俺の人生にみゆがいないなんてありえねえから」

私も廉也さんが好き、北山先生は尊敬してるし、いつも助けてくれて感謝はしているけど、恋愛対象ではない。

「みゆ、俺に惚れろ、俺についてこい」

廉也さんは私を抱き寄せ、そして唇が重なった。

久しぶりの廉也さんとのキス。

舌が絡み合い、お互いに相手を求め合った。