「ああ、麗子ちゃんがお前との結婚の妨げになるから、早く処理してほしいとお願いされてな」

「麗子ちゃん?」

「宇佐美不動産のお嬢さんじゃよ、お前ら結婚するんだろ」

「結婚?」

廉也の表情が変わった、廉也は感が鋭い、この時全てが繋がった。

「そう言うことか」

「なんだ、違うのか?麗子ちゃんは立木くんがお前に近づき、誘惑しようとしている、だからお金で解決したと言っておったぞ」

「くそっ」

「おい、説明しろ」

「仕事上で契約は交わしたが、宇佐美不動産のお嬢さんと結婚なんて話はない、それに立木が俺を誘惑だなんて、逆だ、俺がみゆに惚れて口説いたんだ」

「そうか、しかし、立木くんの退職届は立木くんが自ら提出したものと聞いているぞ、麗子ちゃんの渡した金も受け取ったと言っておったが……」

「みゆは俺に迷惑かけないために、自ら身を引いたんだ、金は絶対に受け取ってない、みゆは金を受け取るような女じゃないからな」

「お前、立木くんと結婚したいのか?」

「ああ、みゆ以外考えられない」