「リハビリでも回復は見込めません、 足の神経が切れて、全く動かない状態と思われます」

みゆは目の前が真っ暗になり、倒れた。

「大丈夫ですか」

森本先生はストレッチャーを用意させて、みゆを処置室へ運んだ。

胎児の検査をして、テキパキと指示を出し、みゆは問題なかった。

目が覚めると、心配そうに覗き込んでいたのは高城だった。

「奥様、気がつかれましたか」

「私、また倒れちゃいました?」

「そのようです、でも森本先生がお腹の赤ちゃんもちゃんとみてくださって、問題ないとのことです」

「そうですか、よかった、私、もっと強くならないとダメですね」

「この状況下の中、誰でも倒れます」

みゆに少し安堵の表情が見えた。

その頃、日本では、健志がみゆがいなくなったことに気づき、ゆかりに連絡していた。

ちょうど同じ頃、高城は会社に一方を入れていた。

健志の情報と、高城からの連絡で、ゆかりはみゆが廉也の元に行ったと推測した。

「健志、みゆさんは廉也の元に行ったのよ」

「どうして?」