「ああ、大丈夫だよ」

「よかった」

「なあ、みゆ、子供を諦める選択肢はないか」

「なんでそんなこと言うんですか」

「みゆにもしもの事があったら、俺は生きていけない」

「廉也さん、この子はもう生きているんですよ、一生懸命大きくなろうとしています、
私達親が見捨てたら可哀想です」

「それはそうなんだが……」

「大丈夫です、私はちゃんとこの子を生んで見せます」

「みゆ」

しばらくして、みゆは退院の許可がおりた。
 
廉也はアメリカに行くことになった。

「みゆ、日本で待っていてくれるか」

みゆはしばらく考えて頷いた。

(この子を一番に考えなくちゃ、それにつわりの状態で廉也さんに着いて行っても、
迷惑なだけだから)

「ちゃんと留守番しています」

廉也は渡米した。

廉也が留守の間、毎日のように健志がみゆの様子を見にきてくれた。