「俺は鈴木先生に、みゆちゃんに異変があったら連絡して欲しいと伝えておいた、
一ヶ月過ぎても、みゆちゃんが検査に来ないと鈴木先生は連絡してくれたんだ」

健志は息もつかない勢いで言葉を続けた。

「みゆちゃんはお前の側にいて幸せなのか」

廉也は否定することが出来なかった。

入院してから、みゆは目を覚ました。

みゆの顔を覗き込んでいたのは健志だった。

「北山先生、どうなさったんですか」

「みゆちゃん、大丈夫か」

「私は大丈夫です、それよりここは病院ですか」

みゆは辺りを見回して廉也を捜していた。

「廉也は仕事にいったよ」

「そうですか」

「みゆちゃん、一ヶ月に一度の検査を自主的にいかないと駄目だよ」

「そうですね、体調がいいとつい忘れてしまって、ダメですね」

「東京に戻って俺がみゆちゃんをみるから、一緒に帰ろう」

みゆは驚きの表情を見せた。

「北山先生、私は廉也さんの妻です、廉也さんと一緒にいます」

「廉也じゃ頼りにならないじゃないか」