「廉也さん、買い物行くと身振り手振りで伝えて、やっとわかってもらうんですよ」

「そうか、俺だってそうだよ、英語をちゃんと勉強しておくんだったなって、いつも後悔してるよ」

「本当ですね」

みゆは微笑んで廉也を見つめた。

みゆは、アメリカに来てから、廉也は忙しく、抱きしめてもらっていないことに気づいた。

廉也も時間が取れず、みゆを病院へ連れて行っていないことに気づいた。

わかっていても、朝、みゆの笑顔を見ると、まだ大丈夫だよなと、安易に考えていた。

そんなある日、みゆは意識を失い倒れた。

廉也は健志に紹介状を書いてもらった大学病院へみゆを入院させた。

みゆは中々意識が戻らない日々が続いた。

(俺は何をやってるんだ)

しばらくして健志がアメリカの大学病院へやってきた。

「健志、どうしたんだ」

「どうしたじゃないよ、俺はお前に頼んだよな、みゆちゃんを一ヶ月に一度検査してくれって」

廉也は項垂れて返す言葉がなかった。