健志は廉也に言われた言葉を思い出していた。

「もういいよ、みゆちゃんで、俺は嫉妬しないような大人になるって決めたんだ」
健志はポカンとしていた。

「そ、そうなのか」

「実はみゆをアメリカに一緒に連れて行こうと考えてる」

「えっ」

「問題ないか?」

健志はしばらく考え込んでいた。

「問題はない、しかし、一つ約束してほしいことがある」

廉也は何だろうと健志の話に耳を傾けた。

「毎月みゆちゃんの検査をしてくれ」

「みゆはそんなに悪いのか」

「いや、そうではない、みゆちゃんは無理をすると、血液の数値が下がる、下がったままでは倒れるんだ、だから、なるべく安静に過ごして、数値が下がったら薬で処置すれば大丈夫だ」

「みゆはずっとこの状態が続くのか」

「今は何とも言えない」

「気を付ければ命に関わることはないんだな」

「大丈夫だ、その代わりストレスや負担をかけると、みゆちゃんは過呼吸を起こす、それも気を付けてくれ」

「わかった」

「みゆちゃんに心配かけるな」