「みゆちゃんは苦しいとか言ってなかった?」

「言ってないわよ」

健志はみゆの元に向かった。

インターホンが鳴って、みゆは応対した。

「みゆちゃん、話があるんだ、開けてくれる」

「北山先生、今、開けます」

オートロックが解錠され、健志が部屋に入ってきた。

「どうされたんですか」

健志は部屋に入るなり、本題に入った。

「みゆちゃん、最近、呼吸が苦しかったり、ふらついたりしてなかった」

みゆは図星を突かれて、驚きの表情を見せた。

「やっぱり、なんで言わなかったの」

「廉也さんには言わないでください、今、桂木コーポレーションは大事な時なんです、
私、廉也さんのお荷物にはなりたくないんです」

みゆは目に涙を溢れさせて健志に訴えた。

「わかったから、一人だと心配だから、入院しよう」

「大丈夫です、ちゃんとすぐに連絡しますから」
みゆはマンションを離れたくなかった。

その瞬間、みゆは倒れて意識を失った。

「みゆちゃん」