「大丈夫ですよ、お仕事は順調ですか」

「ああ、昨日東條氏と契約を交わした」

「そうですか、よかったですね」

「みゆのおかげだ」

「そんな事ありません、廉也さんの仕事の業績を東城ホールディングス社長さんが認めてくれたんですから」

「みゆ、俺……」

「私は大丈夫ですから、お仕事頑張ってくださいね」

「わかった、十日くらいで戻る予定だ」

「はい」

そしてスマホは切れた。

みゆは少し、呼吸が苦しかったが、我慢出来るほどだったため、廉也にはあえて伝えなかった。

それに、北山先生のことも、東京に来ているなんて知ったら、すぐに日本に帰ってくるなんて言い出しかねないと思った。

その頃、北山総合病院での検査結果が出た。

(みゆちゃん、自覚症状出ているはずなのに)

健志はゆかりに連絡した。

「姉さん、前回いつ検査したの」

「二ヶ月前よ」
「毎月検査してって頼んだよね」

「ごめんなさい、でもその前も二ヶ月前で、異常はなかったわよ」